資格

心のケアの専門家「産業カウンセラー」

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「産業カウンセラー」とは?

現在、様々な職場において、社員の心のケアは避けて通れない問題になっていると言われています。ニュースでも話題になっている通り、過酷な労働や職場の人間関係などで心の問題を抱えるビジネスピープルは後を絶ちません。社員一人に問題が生じると、ほかの社員に影響を及ぼし、企業全体のダメージにもなりかねません。そのため、企業ではこのようなリスクを避けるために、社員の心の健康管理に力を注ぐことが急務になっています。「産業カウンセラー」は、心理学的手法で、労働者が抱える問題を自分の力で解決できるよう支えるスペシャリストです。最近では、「メンタルヘルス・マネジメント検定」と並んで、人気が高まっている資格です。「メンタルヘルス・マネジメント検定」が個人の心のケアに重きを置いている一方、「産業カウンセラー」は組織全体の心のケアを考え、研修を組んだりカウンセリングをしたりして組織に解決策を提案し実行していきます。各企業では産業カウンセラーを置いて、積極的に労働環境の改善に取り組む動きも出ているようです。

「産業カウンセラー」は役に立つ資格か?

「産業カウンセラー」は、働く人を対象に、人間関係や心身の不調などの悩みに対し、アドバイスを行う能力があるかを判定する資格です。現在は民間資格ですが、平成13年までは旧労働省が認定する公的資格であったため、比較的、信用度の高い資格でした。ただし、「産業カウンセラー」は、資格を取得したからといって必ずしも企業でカウンセラーの仕事が見つかることわけではありません。この資格はまだ需要が少なく、認知度も高くないので就職先の確保は厳しいとも言われています。仮に見つかっても人と接する仕事なので、高いコミュニケーション能力とリーダー性なども求められてきます。一方で、資格がなくてもカウンセリングの仕事はできるので、今の職場に本当に必要な資格かどうかを見極めて取得していく必要があります。

試験概要

受験資格は、4年生大学学部及び大学院研究科において、心理学又は心理学隣接諸科学、人間科学、人間関係学のいずれかの学部又は専攻(過程)に卒業生で規定の単位を取得し、かつ、日本産業カウンセラー協会による実習講座を修了した者、又は、成人に達しており、協会の養成講座を修了した者など、制限があります。特に協会が開設している講座を受けるのが重要とされています。試験日は学科・実技試験ともに1月下旬です。受験料は31,500円で、札幌から沖縄まで全国17会場で受験できます。試験内容は、学科試験が①基礎的な学識を問う(産業カウンセリング概論、パーソナリティ理論ほか)②基本的な事例への対応能力・傾聴の技法の対話分析能力を問う)で、実技試験がロールプレイ(ミニカウンセリング)、口述試験となっています。

展望

近年、それぞれの企業では、社員が健康で快適に仕事ができるために、フレキシブルな組織作りを目指して、社員のストレスチェックなどを導入し、心のケアに力を入れるようになりました。とりわけ、企業の人事や経営管理にとって、社員の長期休職や退職を防ぐために心の不調をすばやく見つけ、適切なケアをすることは急務となっています。また、50人以上が働く事業所では従業員のストレスチェックが義務付けられるようになりました。そうした中、産業カウンセラーの役割もますます重要になってくるでしょう。